戸塚カントリークラブの分かりやすい記述
アメリカへの輸出に頼ってきた国百本や中国を含む)や企業は、いまや過剰設備投資に泣いているだろう。
処方菱は「縮小」以外ない。
総てはそこからやり直しだ。
1929年大恐慌の折のウォール街一悪夢は再び蘇るのかそのツケの一例をあげておこう。
ニューョーク五番街の商店や、ブラジル出身の人気ファッション・モデルが、ギャランティの支払いをユーロで求めるという。
そのことだけを切り取っていえば、自国通貨を拒否する商店や他国通貨でギャランティを要求されるような国とは、いったいどこの発展途上国だとすら思う。
昔の香港旅行を思い出す。
中国政府が信用不安を起こした住宅金融機関債の保有残高を減らし始めると、アメリカ政府は悲鳴をあげ、全額保証すると約束せざるを得なかった。
「信用の輪」が壊れたとき、「ドルヘの信任」も大いに傷ついた。
もう満身創庚といってよいだろう。
ここがこれまでの不況と大いに異なる点である。
アメリカの経済力の低下は、勿論世界の政治構造の中でのパワー・バランスの変化も促す。
「世界唯一のスーババワーであるアメリカ中心の世界観」がいよいよ崩壊し始めた。
それが偽らざる現状であろう。
アメリカ政府が現在もっとも恐れていることには、(一)サウジ・アラビアがドル・ペッグを止めること、(二)イスラエルがイランの原爆製造工場を爆撃し、その報復にイランがホルムズ海峡を閉鎖し、石油の輸送を不可能にすること、(三)経済成長が停滞した中国で人民の不満が爆発し、国家が大きな混乱に落ち込むこと、(四)グルジアでの対立に始まるロシアとの冷戦の復活、があるという。
上記のいずれかが起これば、それは間違いなく世界を大恐慌に落とし込んで行くだろう。
アメリカにはもうこうした破綻を一人で止める力など無い。
グルジアにロシアが侵攻してもアメリカは何も出来なかった。
それが「現状」である。
残酷なる米国内格差ところで、「成長」とは何なのであろうか。
r国家は「GDPを伸ばさなければいけない」と言うし、企業は「売上げを増やし、利益を伸ばし、株価を上昇させなければいけない」と言う。
誰も彼もが金額で表される数字にこだわっている。
では、この数字にこだわりすぎた結果、何が生まれたのだろうか。
「双子の赤字」を抱えるアメリカも、「巨大な財政赤字を抱える日本政府」も、結局は「見かけの繁栄(バブル)」、言い換えれば「借金に支えられた砂上の楼閣」しか創れなかった。
その砂上の楼閣が、借り換え不能という事態を迎えて、一挙に崩壊に向かっているのである。
本物の成長は「真の技術革新」からしか産まれないものだ。
十八世紀末以降、人類は蒸気機関、鉄道、電気、自動車、飛行機、コンピューター、携帯電話など、たゆまぬ「技術革新」によって、「産業革命」を起こし、生活を一変させてきた。
しかし、ここのところ「産業革命」を起こすような「真の技術革新」が生まれていない。
それを「借金による浪費」でカバーしようとすることは根本的に間違いである。
また、基本的に新たな顧客を得るという努力による「成長」を信じず、「努力して売上げを伸ばして手にする利益」よりも「目先の利益」「現金」をこよなく愛するウォール街の台頭を許してしまった。
良いモノを発明し、新たな産業革命を起こし、そのモノの製造販売で儲その結果が、世界で広がった深刻な所得格差、資産格差である。
前でも触れたが、巨額な赤字を生んだシティグループとメリルリンチのCEO二人の退職金は、合わせて二億ドルである。
リーマン・ブラザーズを倒産させたディック・ファルド会長の昨年のボーナスは四千万ドル(約四十億円)だった。
その一方では、大量の人が家を失い、各社の社員も万人単位で失業している。
アメリカの失業率は二○○八年八月現在六・一%まで急上昇している。
プライベート・エクイティー・ファンドのファンド・マネージャーが、数億ドルから数十億ドルの単位の資産を形成しながら、アメリカという、この世界でもっとも繁栄した国で、健康保険が無い上に、必要な予防接種を一受けられない子どもがたくさんいるということだ。
貧乏人の子供が大学に行くためには、まずは軍隊に入ってイラクに行き、奨学金を稼がなければならない。
金持ちの子どもは一流大学やビジネス・スクールを出て、ウォール街に行く。
決して公平とも、平等とも言えない。
けるのではなく、安易に「会社」の売り買いで儲けようとする化け物を作りだしてしまった何のための「成長」なのかもちろんこれは、アメリカだけの話ではない。
ついすみか日本のような繁栄した国でも、「姥捨て山」と化した老人ホームを「終の棲家」とし、家族に看取られないでひっそりと亡くなっていく老人がたくさんいる。
老人ホームにも入れずに小さなアパートで孤独死し、死後だいぶ時間が経って発見される悲惨な話も枚挙にいとまがない。
これが世界でもっとも成長した国の実態である。
「成長」とはいったい何を目標とするものなのだろうか。
「何のための『成長」なのか」、「何をもって『成長』と考えるのか」といった基本的な議論が十分になされないままに、数値目標を追いかけた結果は、より強欲な者に富を集中させ、お金以外の価値あるものがないがしろにされ、社会全体としては格差が拡大し、決して幸福とは言えない状況を生み出しているのではないだろうか。
アメリカでは上位一○%の所得は年率二%で伸びてきたそうだ。
しかしその同じ期間、残り九○%の人の所得は全く伸びなかった。
こうして格差は拡大する一方だったのだ。
ある文明史の研究家によれば、上位一%の人に富の三○%が集中するとき、だいたい大きな崩壊が起こる臨界点となるようである。
現代の格差はアメリカだけをとってみても、このレベルに達している。
強欲資本主義が迎えた「信用の輪が切れるとき」は、これまでの経済体制が辿りついた終着駅のようにも思えてならない。
下村治博士の卓見アメリカの「双子の赤字」(借金と浪費に依存した経済)がやがて立ちゆかなくなると警鐘を鳴らした経済学者は日本にもアメリカにもいた。
日本の代表は下村治博士である。
彼は池田内閣時代に「所得倍増計画」を構想し、今日の日本の発展の礎を築いた経済学者だ。
その下村博士はやがて、オイルショックによる石油の値上がりを、経済発展の根本要因である「安価かつ安定した資源の供給」が止まったことだと捉え、高成長を目指せる時代が終わったことを覚り、「ゼロ成長論者」となった。
また、日本の市場開放を強硬に求めるアメリカ政府に対して、一九八七年に「日本は悪くない。
悪いのはアメリカだ」(ネスコ刊の本のタイトルでもある)と断言した。
彼はレーガノミックスを痛烈に批判し、アメリカ追随型の経済政策の提案であった「前川レポート」も「日本の健全さを捨てさせるものだ」として受け入れなかった。
アメリカにおいても、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の記者などを務めたアルフレッドL・マラブルJr.が一九八七年に『限度を超えたアメリカの借金と浪費の果て』(三原淳雄訳、東洋経済新報社)を発表している。
マラーブル・ジュニアが指摘する問題は、その本質において、下村博士と変わるところがない。
下村博士が指摘したことは次の通りである。
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